わたしたち日本人は麺が大好き。うどんやそうめん、そばはもちろん、ラーメンやビーフン、スパゲッティやマカロニといったパスタ類などと、じつにさまざまな麺を日ごろ口にしています。
こうした麺類は主に小麦粉がつかわれますが、中にはビーフンのように米の粉であったり、パスタの仲間のニョッキのように、じゃがいもを主な材料としてつかうもの、そして、そばのように、ねばり気の少ない粉を工夫して用いたりと、土地がらによってさまざまな知恵がいかされていて、それぞれのおいしさを味わうことができます。
手延べ麺・手打ち麺・機械麺
うどん、そうめん、ひやむぎなどの和風の麺。原料には小麦粉のうちの中力粉を用います。もともとは国内産の小麦粉をつかっていましたが、国内産小麦の生産量がきわめて少なくなったために最近ではオーストラリア産の小麦粉が主として使われています。
手打ち蕎麦・手延べ蕎麦・機械蕎麦
蕎麦粉を原料にした、和風麺の代表的なもので、もともとは、蕎麦のとれる地方の各家庭で、人が集まるときにつくっていた料理です。蕎麦は、米などがとれない山岳地帯の作物で、たん白質の量が少ないため麺にするには、ツナギの役割をする副材料が必要になります。 ”二八そば”は蕎麦粉を八割にツナギの小麦粉が二割。”山芋そば”は山芋をツナギに用いたもの。
また、蕎麦は蕎麦殻を除いた粉を用いた色白の更科系、殻ごとひいた”挽きぐるみ”を用いた藪蕎麦系にわけたりもします。蕎麦が麺の姿になったのは江戸の中期。それまでは蕎麦といえば蕎麦粉を熱湯でねった”蕎麦がき”のことをさしていました。
手延べ麺・機械麺・刀削麺(ダアシァオミェン)
中華麺といえば、まず、ラーメンとビーフン。なじみふかいラーメンは、小麦粉にかん水(塩水)をまぜてねりあげてつくるもので、アルカリ性のかん水が小麦粉のたんぱく質のねばりをます性質をいかした麺です。
この中華麺がわが国へつたえられたのは大正時代、はっきりしたことはわかっていませんが、横浜ではなかろうかといわれています。
パスタは、イタリアを代表する、小麦粉をつかった食品です。パスタに用いられる小麦は、黄赤色系の色素・カロチンやたん白質を多くふくんでいるデュラム種。パスタは、形や大きさ、用いられる副材料などによって特徴があって、イタリアのパスタには地方、地方の特色が感じられますし、パスタはいまでも各家庭でつくられることが多いため、家庭の色あいといったこともあるかもしれません。
パスタの種類と形状(JAS規格による)
・マカロニ:太さ2.5mm以上の管状、またはその他の形状の麺
・スパゲティー:太さ1.2mm以上の太さの棒状、または2.5mm以下の管状の麺
・バーミセリ:太さ1.2mm以下の細めの棒状の麺
・ヌードル:巾ひろの帯状の麺
★最近のイタリア料理の本には、蕎麦やうどん、ラーメン、ビーフンといった
麺類が東洋のパスタとして紹介されていて、ますます、食べものに国境が
なくなってきていることがわかります。